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堀口 直樹; 吉田 啓之; 阿部 豊*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(3), p.278 - 290, 2019/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ベンチュリスクラバは微小なエアロゾル粒子を除去するものであり、原子力発電所におけるフィルタ付ベントシステムの構成機器として導入されている。核分裂生成物を含むエアロゾル粒子は、ベンチュリスクラバ内に形成される液滴との衝突により除去されると考えられるが、運用時に想定され得る超高流速条件での液滴データが不足している。本研究は、超高流速条件でのベンチュリスクラバ内の液滴径データの取得とそれによる液滴径評価式の適用性確認を目的とした。まず、超高速微小液滴を観察するため、高解像度高撮影速度の光学系を開発した。続いて水-空気系の模擬試験により可視化計測し、液滴径分布とザウター平均径(SMD)を取得した。既存評価式による予測値と実験値を比較し、気相流速82-250m/sの範囲において抜山-棚沢の式がSMDを良い精度で予測できることを明らかにした。
上澤 伸一郎; 堀口 直樹; 柴田 光彦; 吉田 啓之
第22回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 6 Pages, 2017/06
フィルタ付ベントシステムの1つとして、ベンチュリスクラバがある。日本国内では、福島第一原子力発電所事故後の新規制基準の施行以降、ベンチュリスクラバの導入が複数の原子力発電所で進められている。この性能は既存試験にて確認されているものの、近年の報告によれば、事故時には、既存試験で確認された運転条件範囲を逸脱する可能性が示唆されている。また放射性物質の除去性能がベンチュリ管内の水-蒸気二相流挙動に大きく影響されると考えられているものの、実験的にベンチュリ管内の水-蒸気二相流挙動を確認した例は少ない。本研究では、ベンチュリスクラバ内の二相流挙動を明らかにするため、ベンチュリ管内の水-蒸気ならびに水-空気の二相流挙動可視化実験を実施した。その結果、ベンチュリ管の縮小部のガス流速が増加するにつれて、縮小部の圧力が増加することで、スクラビング水の供給量は減少し、最終的に停止することが確認された。また、ベンチュリ管内の二相流挙動を可視化したところ、実機のベンチュリスクラバで想定される水供給口からの噴霧は確認されず、水供給口下流以降に形成された液膜流からの断続的な噴霧が確認された。このようにベンチュリスクラバ内の二相流挙動は実機で想定される二相流挙動とは異なることが示唆された。
堀口 直樹; 吉田 啓之; 上澤 伸一郎; 阿部 豊*
第22回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 4 Pages, 2017/06
ベンチュリスクラバは原子力発電所におけるフィルタ付ベントシステムの構成機器として導入されており、核分裂生成物を含む微小なエアロゾルを除去する役割がある。しかしながら、ベントシステムの運用時に想定されうる全ての圧力条件範囲において除染性能を予測する手法はない。そこで、本研究は、機構論的な流動解析コードをベースとした除染性能解析手法を構築し、これによって実環境で想定される流動及び除染性能に関する知見を得ることを目的とした。解析の結果、ベンチュリスクラバの入口圧力が下がるにつれ、ベンチュリスクラバ喉部での流入する気相の速度は抑制されること、自吸される液相速度は変化すること、除染係数は増減傾向となることがわかった。またエアロゾル径が大きくなるにつれ除染係数が増加することがわかった。